地域資源を「地域の稼ぐ力」に変えるには?|商品開発から販路づくりまでの考え方 (vol 4)

地域には良い農産物がある。
加工できる施設もある。
地域の商品もつくられている。

それでも、それぞれの取り組みが地域の大きな収益につながっていない。

そんな地域もあります。

例えば、
生産者は農産物をつくる。
加工場は商品をつくる。
道の駅や直売所は商品を販売する。

一つひとつを見ると、それぞれが地域のために取り組んでいます。
しかし、それぞれが別々に動いていると、せっかく地域にある資源や機能を十分に活かすことができません。

地方創生において「地域で稼ぐ」という言葉が使われることがあります。
ここでいう「稼ぐ」とは、単に一つの商品をたくさん売ることだけではありません。

地域にある資源を活かし、商品やサービスとして価値を生み出し、それを地域内外へ届ける。
そして、生まれた仕事や収益が地域の中で次の事業につながっていく。
その流れをどうつくるかという視点が重要です。

生産・加工・販売が「点」になっていないか

農産物を生産する人がいる。
商品を加工する人がいる。
販売する場所がある。

一見すると、地域資源を活用する環境は整っているように見えます。
ところが、

生産者は「つくること」だけを考える。
加工場は「加工すること」だけを考える。
販売施設は「並べて売ること」だけを考える。

それぞれの役割がそこで終わってしまうと、地域資源の価値を十分に高めることは難しくなります。


例えば、

生産者と販売現場がつながっていれば、

「この農産物は観光客から人気がある。」
「このくらいの価格の商品がよく売れている。」
「こういう加工品が欲しいという声がある。」

といった情報を商品開発に活かすことができます。

反対に、

生産者から、

「今年はこの農産物が多く採れそう。」
「規格外品を何かに活用できないか。」

という情報が加工場や販売事業者へ共有されれば、新しい商品を考えるきっかけになります。

地域資源を活かすためには、それぞれの事業者が個別に頑張るだけではなく、生産・加工・販売を一つの流れとして考えることが重要です。

「地域の外へ売る仕組み」も必要になる

地域内で商品を販売することはもちろん大切です。
しかし、地域の人口が減少していけば、地域内だけを市場として成長を続けることには限界があります。
そこで必要になるのが、地域外へ商品やサービスを届ける視点です。

・道の駅や観光施設を訪れた人に商品を購入してもらう。
・ECサイトで全国へ販売する。
・都市部の店舗やイベントへ出店する。
・ふるさと納税の返礼品として展開する。
・地域商社や流通事業者と連携して、新しい販路を開拓する。

地域外への売り方には、さまざまな方法があります。
特に地域商社は、地域の商品を集め、販売や販路開拓などを担うことで、
生産者や小規模事業者だけでは届きにくい市場と地域をつなぐ役割を担うことがあります。

ただし、「地域外へ売れば良い」ということでもありません。

・誰に届けたい商品なのか。
・どの販路と相性が良いのか。
・継続して製造できるのか。
・送料や販売手数料を含めても利益が残るのか。
・販路を広げるほど、こうした事業としての視点も必要になります。

販路を増やすこと自体を目的にするのではなく、地域にきちんと収益が残る売り方をつくることが大切です。

地域で「稼ぐ」とは、地域の中に循環をつくること

地域資源を活用した商品が売れれば、売上が生まれます。
しかし、その売上が地域にどのような効果を生み出すのかまで考えてみると、地域の商品づくりの見方は変わります。

・地域の農産物を使えば、生産者の収入につながる。
・地域の加工場を使えば、加工に関わる仕事が生まれる。
・道の駅や直売所で販売すれば、販売施設の売上にもなる。
・地域外から商品を購入した人が実際に地域を訪れれば、飲食や観光など別の消費につながる可能性もあります。

一つの商品から生まれた収益が、地域のさまざまな人や事業へつながっていく。
こうした循環を増やしていくことが、地域の「稼ぐ力」を育てることではないでしょうか。

六次産業化、地域商社、道の駅、食品加工場なども、それぞれを別々の取り組みとして考えるだけではなく、
地域資源を価値に変えて届ける一つの流れとして見る
ことができます。

そして、その仕組みを地域に増やしていくことは、地方創生を進める上でも重要です。


地域資源は、そこに存在しているだけでは地域の収益にはなりません。
生産し、加工し、価値を伝え、販売し、また次の生産や商品開発につなげる。

地域の中にある取り組みを一度並べてみると、
「足りないもの」よりも、「まだつながっていないもの」が見つかるかもしれません。

新しい施設や事業をつくる前に、まずは地域にすでにある人、商品、加工場、売場をどうつなげられるか。
そこから考えることも、地域の稼ぐ力を育てる第一歩になるのではないでしょうか。


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