地域の農産物を使った商品が完成した。
パッケージもできた。
道の駅や直売所にも商品を並べた。
しかし、思ったように売れない。
地域資源を活用した商品開発では、このようなことも珍しくありません。
「地元の良い素材を使っているのに、なぜ売れないのだろう。」
「味には自信があるのに、なかなか手に取ってもらえない。」
そうなると、味やパッケージ、価格など、商品のどこかに問題があるのではないかと考えてしまいます。
もちろん、商品そのものを見直すことも必要です。
しかし、売れない理由は商品だけにあるとは限りません。
・誰に販売する商品なのか。
・どこで販売するのか。
・売場で商品の魅力が伝わっているのか。
・商品を知ってもらう機会をつくれているのか。
商品開発では、商品を完成させるところまでではなく、「どうやって選んでもらうか」まで考えることが大切です。
「良い商品」と「売れる商品」は同じではない
地域の商品開発では、
「地元の農産物を使っている。」
「地域の生産者が丁寧につくっている。」
「素材や製法にこだわっている。」
といった商品の魅力があります。
こうした背景は、地域商品にとって大切な価値です。
しかし、その価値を知っているのは、商品をつくった側だけになっていないでしょうか。
例えば、売場に商品名と価格しか書かれていなければ、その地域を初めて訪れた人には、
・なぜこの商品が地域の商品なのか。
・どんな人がつくっているのか。
・どんな素材を使っているのか。
・どのように食べるとおいしいのか。
といったことは伝わりません。
つくる側にとっては当たり前のことでも、消費者にとっては知らないことばかりです。
商品の背景にある生産者や地域のストーリー、商品の特徴、食べ方などをPOPやパッケージ、WEB、SNSなどで伝えることで、
初めて商品の価値を知ってもらうことができます。
良い商品をつくることと、良さが伝わる商品にすることは別の取り組みです。
商品が売れないときには、商品そのものだけではなく、「商品の価値がきちんと伝わっているか」という視点から見直してみることも必要です。
商品だけではなく「売場」も見直してみる
同じ商品でも、売る場所や見せ方によって、消費者の反応は変わります。
例えば、道の駅や直売所には、たくさんの商品が並んでいます。
その中で商品を手に取ってもらうためには、「商品を置いておけば売れる」という考え方だけでは十分ではありません。
・商品が目に入りやすい場所に置かれているか。
・何の商品なのか一目でわかるか。
・おすすめする理由が伝わっているか。
・関連する商品と一緒に提案できないか。
・試食や料理例など、購入するきっかけをつくれないか。
・売場には、できることがたくさんあります。
特に地域商品では、商品の背景にある「地域らしさ」を伝えることも重要です。
例えば、
地元の果物を使ったジャムであれば、商品だけを並べるのではなく、生産者や産地、旬の時期などを一緒に紹介する。
調味料であれば、実際の料理写真やおすすめの使い方を紹介する。
こうした小さな工夫によって、商品そのものだけでは伝わらなかった魅力を補うことができます。
商品開発というと「商品をつくるところまで」と考えがちですが、売場も商品づくりの一部と考えてみると、改善できることが見えてきます。
「売れない」で終わらせず、売りながら育てる
新しく開発した商品が、発売した直後から継続的に売れ続けるとは限りません。
また、発売したものの売れないからといって、すぐに諦めるのは早いです。
だからこそ、販売を始めてからの改善が重要です。
・どんな人が購入(検討)しているのか。
・どの商品と一緒に買われているのか。
・どの売場では売れて、どの売場では売れていないのか。
・購入した人はどんな感想を持っているのか。
こうした情報を集めることで、次の改善につなげることができます。
場合によっては、
・内容量や価格を変える。
・パッケージを見直す。
・販売場所を変える。
・POPをつくる。
・SNSで発信する。
・地域商社や小売事業者など、新しい販売先と連携する。
一度商品を完成させたからといって、ずっと同じ形で販売し続ける必要はありません。
むしろ、消費者の反応を見ながら改善を重ねていくことで、地域商品は少しずつ育っていきます。
六次産業化や地域資源を活用した商品開発で大切なのは、「商品をつくった」という実績をつくることではありません。
その商品が継続して購入され、生産者や加工事業者、販売事業者に収益が生まれて初めて、地域の産業として続いていきます。
商品をつくったのに売れない。
そんなときは、すぐに「この商品はダメだった」と判断するのではなく、商品そのもの、伝え方、売場、販売先。
それぞれを一つずつ見直してみてはいかがでしょうか。
地域商品は、完成した瞬間がゴールではありません。
販売しながら改善し、消費者から選ばれる商品へ育て続けることが、地域資源を継続的な地域の収益へつなげていくためには大切ではないでしょうか。

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