地域資源を「商品」に変えるには?|六次産業化で大切な商品開発の考え方 (vol 1)

地域には、農産物や水産物、特産品など、その土地ならではのさまざまな地域資源があります。
こうした地域資源を活かして新しい商品やサービスを生み出す「六次産業化」は、地域に新しい仕事や収益を生み出す取り組みの一つです。

しかし、地域の商品開発では、

「地域の特産品を使って商品をつくったが、なかなか売れない。」
「加工品を開発したものの、その後の販売につながらない。」
「地域資源を活用したいが、何を商品にすれば良いかわからない。」

といった声も多くあります。

商品開発というと、どうしても「何をつくるか」から考えてしまいがちです。
しかし、商品をつくる前に考えておきたいことがあります。
それが、「誰に、どのような価値を届ける商品なのか」ということです。

地域ならではの素材を使うことは、商品の大きな魅力になります。
ただし、それだけで消費者から選ばれる商品になるわけではありません。

今回は、地域資源を「商品」として育てていくために、六次産業化の商品開発で大切にしたい考え方についてご紹介します。

地域資源があるだけでは「売れる商品」にはならない

六次産業化とは、農林漁業などの一次産業に、加工などの二次産業、販売・サービスなどの三次産業を組み合わせ、新たな付加価値を生み出していく取り組みです。

例えば、

 ・地域で採れた果物をジャムや菓子にする。
 ・規格外の野菜をソースや調味料にする。
 ・地域の米を米粉や加工品として活用する。

こうした取り組みも、地域資源に新しい価値を加える方法の一つです。

しかし、「地域で採れたものを使っている」「地元の特産品を加工している」というだけでは、消費者に商品の魅力が十分伝わらないこともあります。

そこで考えたいのが、
「誰に買ってほしいのか。」
「どのような場面で利用してほしいのか。」
「似た商品と何が違うのか。」

ということです。

例えば同じ地域の果物を使った商品でも、
観光客がお土産として購入する商品と、地域住民が日常的に購入する商品では、求められる価格や内容量、パッケージも変わります。

大切なのは、地域資源そのものを売るのではなく、その地域資源だからこそ生み出せる価値を商品として伝えることです。

商品開発は「売り方」まで一緒に考える

商品が完成してから、
「さて、どこで売ろうか。」と考え始めるケースもあります。

しかし、本来は商品をつくる段階から販売方法まで考えておくことが重要です。

 ・道の駅で販売するのか。
 ・地域の直売所で販売するのか。
 ・観光施設でお土産として販売するのか。
 ・ECサイトを通じて全国へ販売するのか。
 ・地域商社などと連携して地域外へ販路を広げるのか。
 ・販売する場所が違えば、求められる商品も変わります。

内容量、価格、パッケージ、保存期間、商品の見せ方なども、販売先を想定することで具体的になっていきます。

だからこそ、

① 誰に売るのか。
②どこで売るのか。
③いくらで売るのか。
④なぜ選んでもらえるのか。

この4つを、商品をつくる段階から考えておくことが大切です。

「つくってから売る」のではなく、「売り方まで考えてつくる」。
六次産業化の商品開発では、この視点がその後の販売にも大きく関わってきます。

商品が地域の中でどう動くかまで考える

商品が完成し、販売が始まれば商品開発は終了。
そう考えてしまいがちですが、地域資源を活用する取り組みでは、その先も重要です。

地域の生産者が農産物をつくり、加工場で商品にする。
 ↓
完成した商品を道の駅や直売所で販売する。
 ↓
地域商社などと連携し、地域外にも届けていく。
 ↓
商品をきっかけに地域を知った人が、実際にその地域を訪れることもあるかもしれません。

このように一つの商品を通じて、生産者、加工事業者、販売事業者、観光施設など、地域のさまざまな事業者がつながる可能性があります。

六次産業化は、単に加工品をつくるための取り組みではありません。
地域にある資源へ新しい価値を加え、それを地域内外へ届けることで、新しい仕事や収益を生み出していくことも大切な目的です。
それは、地域が持つ資源を活かして地域の産業を育てるという意味で、地方創生にもつながっていきます。

まずは「何をつくろうか」と考える前に、
「この地域資源を、誰に、どのような価値として届けたいのか。」
そこから商品開発を考えてみてはいかがでしょうか。

商品を完成させることだけをゴールにせず、地域の中で商品がどのように売れ、どのように地域の仕事や収益につながっていくのかまで考えることが、
六次産業化を継続的な取り組みにしていくためには重要ではないでしょうか。


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