地域の加工場は「つくる場所」だけではない|地域資源を活かす加工拠点の役割とは (vol 2)

加工機械がある。
商品を製造できる設備もある。
それでも、地域の加工場が十分に活用されていない。

地域の食品加工場や農産物加工施設では、このような課題を抱えているケースがあります。

特に自治体などが整備した加工施設では、「施設をつくること」「商品を製造すること」が先行し、その加工場を地域の中でどのように活かしていくのかが十分に整理されていないこともあります。

一方、地域には、

「自分たちの農産物を加工して商品にしたい。」
「規格外の農産物を活用したい。」
「新しい商品をつくってみたい。」

という生産者や事業者もいます。

加工する設備と、商品をつくりたい人。その両方が地域にあるにもかかわらず、うまくつながっていない。
ここに、地域の加工場を活かすヒントがあります。

これからの地域の加工場には、単に食品を製造するだけではなく、
地域資源と人をつなぎ、新しい商品や事業を生み出す拠点としての役割も求められているのではないでしょうか。

私たちも、自治体が設置した食品加工施設を指定管理者として運営し、地域の農産物を活用した商品開発や、生産者・事業者の商品化支援に取り組んでいます。実際に加工場を運営する中でも、加工場の役割は「商品を製造すること」だけではないと感じています。

地域には「商品になっていない資源」がある

地域で生産される農産物のすべてが、そのまま商品として販売されているわけではありません。

 味や品質には問題がなくても、大きさや形などを理由に規格外となる農産物があります。
 収穫時期が集中し、一度に販売しきれないこともあります。
 また、地域では当たり前に食べられているものが、地域外の人から見ると魅力的な地域資源である場合もあります。

こうした資源に加工という工程を加えることで、新しい可能性が生まれます。

 ・果物をジャムや菓子にする。
 ・野菜をソースや調味料にする。
 ・米を米粉や加工品として活用する。
加工によって保存期間を延ばしたり、生鮮品とは異なる販路で販売したりすることもできます。

一次産業で生まれた地域資源に加工によって付加価値を加え、販売へつなげていく。
地域の加工場は、六次産業化を進める上でも重要な接点になります。

つまり加工場は、単なる「製造設備」ではなく、まだ商品になっていない地域資源の可能性を広げる場所でもあるのです。

「加工したい人」と「商品にする仕組み」をつなぐ

生産者が「加工品をつくりたい」と思っても、すぐに商品化できるとは限りません。

加工設備を自分で用意するには費用がかかります。
さらに商品として販売するためには、試作や製造方法だけでなく、
原価、食品表示、保存方法、賞味期限、パッケージなど、さまざまなことを考える必要があります。

そして商品が完成すれば、次は販売です。

 ・どこで販売するのか。
 ・誰に販売するのか。
 ・どのくらい製造するのか。

初めて商品開発に取り組む生産者や事業者にとって、これらをすべて自分たちだけで進めることは簡単ではありません。

だからこそ、地域の加工場が、

少量から試作できる。
商品化について相談できる。
必要な情報を得られる。
地域の販売先や事業者につながる。

といった機能を持つことで、地域の「やってみたい」を実際の商品へつなげやすくなります。

加工場の役割を「製造すること」だけに限定しないことが、地域資源の活用を広げるきっかけになります。

加工場の成果を「製造量」「施設利用数」だけで考えない

加工場を運営していると、製造量や施設利用件数など、目に見える数字に注目しがちです。

もちろん、それらも施設を運営する上で大切な指標です。

しかし、地域の加工拠点として考えるのであれば、もう少し広い視点で成果を見ることも必要です。

例えば、

 ・地域の生産者との新しい連携が生まれた。
 ・これまで廃棄されていた農産物から商品が生まれた。
 ・加工場でつくった商品が道の駅や直売所に並んだ。
 ・地域の飲食店や観光施設で商品が使われるようになった。
 ・地域商社などとの連携によって、新しい販路が生まれた。

こうした変化も、加工場が地域にもたらす大切な成果です。
加工場の大きな役割のひとつには、地域内経済循環という視点が必要です。

一つの商品が生まれることで、生産者だけではなく、加工、販売、観光など地域のさまざまな事業者とのつながりが生まれる可能性があります。
そして、そのつながりが新しい仕事や地域内での消費につながれば、加工場は地方創生を支える一つの拠点にもなっていきます。

加工場に必要なのは、設備を動かすことだけではありません。
地域にある資源と、商品をつくりたい人、そして商品を届ける場所をつないでいくこと。

まずは地域の中に、「活用できていない資源はないか」「商品をつくりたい人はいないか」を探してみる。
そこから、加工場の新しい役割が見えてくるかもしれません。

地域の加工場を「食品をつくる場所」だけで終わらせず、
新しい商品や事業が生まれる場所として育てていくことが、地域資源を活かすための一つの方法ではないでしょうか。


【自治体 の皆様、第三セクター・指定管理事業担当の皆様】
施設運営や地域活性化に関する課題をお持ちの場合は、お気軽にご相談ください。
私たちはコンサルティングだけではなく、研修、人材育成、施設運営支援まで一貫して対応しています。単なる提案だけではなく、現場に入り込みながらハード&ソフトの両面から伴走支援を行っていきます。
各地域に新しい価値を生み出すパートナーとして、皆様と共に取り組んでまいります。

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